前を向くパワーで、みんなを動かす人。

負けず嫌い 向上心が強い

「友達によく言われるのは、『なつひは負けず嫌いだね』って。確かにそうだな、と自分でも思います。子供の頃からテストでも体育祭でも、すんごい努力する。マラソン大会でもひそかに練習しちゃう。負けたくないんです。勝つために努力するのは当たり前。ただ、努力してるのを人に見られるのはイヤで、こっそり勉強するコソ勉派でもあるんです(笑)」。そんな井上の性格は、今もまったく変わらない。だから、「ついつい、頑張り屋の後輩には妙に優しくしちゃったりする」とも。

頼られる女

井上が目指す究極の姿。それは、「母のように、頼りにされて信頼される人」だ。井上の母親は、めちゃくちゃポジティブな営業ウーマン。「何かを相談して、直接答えを返してくれるわけじゃないけど、話すだけで前向きになれる。強い母です」。実際彼女の母は、ホノルルマラソンにも挑戦し、さらに朝4時に起きて資格の勉強もしているという。その影響を大いに受けた“強い女”井上が思うのは、「女性MRがもっともっと活躍すること。私自身も後輩の見本になれるよう、キャリアの面でも上を目指していきたいと思っています」。MRとしての仕事の意味や目標が明確に見えてきた井上。今後、どのような女性MR像をつくってくれるだろうか。

MRは、やめられない

「中外製薬の薬で、患者さんが良くなった」という話をドクターから聞き、泣きそうになったという井上。「これは関節リウマチの薬の話です。小学生のお子さんが関節炎の治療のための薬の副作用のせいで、学校でいじめられ辛い毎日を送っていたそうですが、中外製薬の薬に切り替えたことで副作用が軽減され、学校にいくのが楽しくなったと。それを聞いてウルウルっとなりました」。中外製薬はがんをはじめとした、難しい病気と闘う医薬品が多い、「今まで有効な治療法がなかった領域に対して、画期的な薬を開発している会社であることをあらためて実感した出来事でした。実は、当時ちょっと仕事に疲れていたんですけど、この話を聞いて『私がMRとしてこうした薬を届けていかなければ!』ってパワーをもらいました」。

意外な過去

今だから言えることだが、井上はMRになる前“病院嫌い”だった。「学生の頃から、ちょっとした風邪で病院にいくと説明不足だったり、少し横柄な態度に感じたり。それがきっかけで、自分で薬の知識をつけようと決心。それが、薬学部に進むきっかけになったのだから不思議ですね」と笑う井上。薬学部を目指してがむしゃらに勉強を始めた井上だが、当時からずっと思っていたことがある。「患者さん側に立った医療をしたい、と考えていました。今思うと、医療全体をよくしたいということ。結果的に、私は自分の思ったとおりの道を歩んでいるのかもしれませんね」。

あなたじゃなきゃ、できなかったね。

井上にとってもっとも印象的な仕事は、大学病院のドクターをサポートしC型肝炎の市民講座を開いたことだ。先端治療を紹介することで、治療をためらっている患者さんに前向きになっていただく講座だが、開講まであまり時間がない中でのスタートだった。「講座が終了したあと、ドクターから『この短期間でよく間に合ったね』と言われました。実は、転勤してきたばかりで何もわからなかった故にできたこと。ドクターの情熱に共感してしまって。あとは、とにかく社内を巻き込み上司に協力してもらって、力技で形にしたものなんです」。ドクターからは「あなたじゃなきゃできなかったね」とまで言われたそう。周囲を一つのベクトルに向けて動かす井上のパワーは凄い。

ドクターの使命感

「ドクターから、厳しくも育てていただいてます」と井上。このところ、毎週のように通うあるドクターを井上は心から尊敬している。「ドクターの使命感はすごい。私との面会中にも患者さんから電話がかかってきて、すごく丁寧に相談に乗られていて感動しました。こういうドクターを見ていると、何かサポートしたいと強く思います」。ドクターは熱心でまじめなだけに、ときには叱られることも。「『あなたは失礼な人だ』と面と向かって言われたことも。以前はベテランMRが担当だったので私では至らない点もたくさん。でも、ドクターを尊敬しているし、今は私を見捨てないでくれているのがありがたい。なんとかドクターに認められるMRになりたいです」。

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