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- 門間 秀夫
とにかく探究心旺盛。進化する医療の世界を泳ぎまわる人。
家でも「シゴト」が気になる。
ふとしたきっかけから、MRの仕事を選んだ門間。だが今は、休日さえ気付くと医療に関する調べ物をしてしまうほど、この仕事に夢中だ。「仕事がこなしきれないというんじゃなくて、根っからこの仕事が好きみたいです。ネット検索して最新の医療情報を探したりしていますね」。門間は、生まれつき探究心旺盛で凝り性な性格なのだ。奥様は、そんな門間を「つねに仕事に全力投球」と微笑む。「妻を寂しがらせないようリビングでテレビに向かいながら、実は密かにパソコンを打ってるんです(笑)」。門間にとってこの仕事は、もう趣味か仕事かわからない領域に入っている。門間は、「ドクターに、日進月歩の医療情報を少しでも早く伝えたい」と語る。その向こうに、新しい情報を待つ、多くの患者さんがいる。
風を読むMR。
直接、患者さんに会い薬を紹介するわけではなく、あくまでも医師を通し、その治療方針に従って医薬品を提案するMR。しかし一方で、医師は医療に関しての知識はMRよりも豊富だ。つねにこうした難しさの伴う環境で活躍するMRは、さまざまな工夫や知恵が求められる。門間が目指すMRの姿とは「一言でいうと『風を読むMR』ですね。これ、あるドクターから言われた言葉で今も肝に銘じている言葉。さりげなくドクターをサポートしながら自分は最善の努力を尽くす。空気のようでいて、なくてはならないMR。知識が豊富でありながら、それを威張らず、つねにおおらかでいて明るい。それが私の目指す姿なんです」。
治療のために。
MRとして、一番印象的なエピソードについて、門間は語る。「大学病院を担当していた頃。あるがんの患者さんについてドクターから相談された私は、まだ発売間もない抗がん剤を勧めたんです。すると、みるみる腫瘍が縮小しドクターと喜びあったことがあるんです」。医師に患者さんの治療方法を提案することは、門間の大きなやりがいだ。特にがんの領域は、難しい患者さんも多い。「標準治療が耐えられない患者さんに、どんな医薬品を提供するか、こういう難しい局面こそMRの力の見せ所です。情報を調べ、悩み、治療のオプションを何案も提出する。その時は、自社の製品だけにこだわらず、患者さんにとって最適な組み合わせを提案します。そうやって最良の治療をドクターと話し合い、施してもらうのが、私のやりがいなんです」。
大切な商談の、とっておきの演出。
MRは医薬品に関する専門情報を提供するだけでなく、「営業」でもある。ドクターや医療機関のキーマンたちに、医薬品の採用を決断していただくのは、やはり大切な仕事の一面だ。門間は、そんな時こそ、「普段とは違う空気を演出する」と語る。「『今日は特別だ』と気付いていただくために、いつもならアポイントを取らず会いに行くところを、わざわざ電話やメールで事前にアポイントを取って伺います。また、一人で行くのでなく上司などの第三者に商談に同席してもらうケースもありますね」。これは、互いの認識のズレを最小限に留めるため。門間のこうした隠れたノウハウは、MRの後輩たちへと伝授されている。
生徒がかわいくて叱れない。
生物工学科出身。大学院では、土の中のバクテリアを探し歩き、基礎研究に役立てたいと考えていた門間。「実は、大学院生時代は理科の教師になろうと思って非常勤講師をやっていたんです。ところが、なんと生徒がかわいすぎて叱れなくて・・・。それで教師の道を断念したんです」。かなり優しい理由で教師の道を断念した門間。そんな門間がMRに興味を持ったのは、学生時代の同級生がMRとして働き、「とにかく楽しそうに見えた」ため。モノ言わぬ微生物ではなく人相手の仕事をしたいと考え、MRの世界に飛び込んだ。同業他社で3年間活躍したのち、将来性や高い技術力などに魅力を感じ中外製薬へ転職した。
医師の後ろ姿。
就職して初めて知った医師の忙しさ。そして、患者さんと向き合う真摯な姿勢。「実際に近くで見て、ドクターの働く姿には感銘を受けました。ときには、MRの私に激しい叱責が飛んでくることもありますが、ドクターの日々の姿をみつめるうち、自然と納得している自分がいました」。門間は、こうも語る。「ドクターは、目の前の患者さんをどう救うか、純粋に治療に専念する。当然ながら同じ病気でも、患者さんの症状は一人ずつ違うわけですから治療方針も違う。そこにMRとして、いかにドクターをサポートできるかが大切だと思いますね」。門間は医師の後ろ姿を見て、MRとしての自分のスタイルを築き上げてきた。



