一瞬一瞬の感動をパワーに、つねに目の前のことを楽しむ人

いい薬を届けたい。

「ひとのためになる仕事をしたい」と入社した佐藤に、これからの目標を聞いてみた。「いつか、自分がかかわった医薬品がちゃんと患者さんに届くところを見てみたいです。可能性としては、申請された段階にある骨粗しょう症の薬ですね。最近MRの方に話を伺う機会があり、ある中外製薬の薬でリウマチのため歩けなかった患者さんが歩けるようになったという話を聞かせてもらった時は、自分は携わっていないけれど感動しました。それが自分が携わったものだったら、もっと嬉しいだろうと思いますね」。

一瞬一瞬を楽しみたい。

学生時代は、パンクバンドでドラムを叩いていたという佐藤。「何でもやりたい、楽しみたいという気持ちが強い方で、学生のころは本当に毎日忙しくしていました。今は3歳の娘がいますが、いろいろな経験をさせたくて、この前の夏は四万十川でカヌーに挑戦してきました。他にもうなぎや河エビを捕まえたりして、家族みんなでいろんな体験をしています。チャレンジすることを楽しいと思える子に育てたいですね」。そんな佐藤が目指すのは、“ちゃんと仕事をしている女性”だ。「仕事をするからには、子供がいることを言い訳にして、自分を縮めたくないんです」。佐藤はそんな自分を欲張りだと表現した。

申請の手前で。

DDSで結果を残した佐藤に次なるステージが待っていた。「医薬品の申請に必要な非臨床データを収集するグループで、申請に必要な実験を行い、化合物の特徴づけ、安全性にかかわる情報などを収集していく仕事でした。ここで求められるのは、いかに正確で再現性の高いデータを集めるかということでした」。この仕事の特徴は、申請前の開発ステージにあるすべての医薬品に携われることだ。「骨粗しょう症、がん、C型肝炎。ありとあらゆる医薬品にかかわっていきます。私は委託試験のコントロールをメインで行いますが、申請の手前の医薬品の多くが私の手を通っていくのは、とてもやりがいを感じますね」。

たくさんのバトンの上で。

最近佐藤が手ごたえを感じたのは、骨粗しょう症の新薬が申請されたことだという。「この申請には、私が実施した試験も含まれていました。申請後もその対応で本社や他部署の方々と接することが増え、仕事の幅はどんどん広がっています。この新薬の開発当初のデータを見ることがあるのですが、それらは現在の部長やグループマネージャーが若手の頃のものだったりするんです。これを見ていると長い時間とたくさんの実験を経て、ようやく申請にこぎつけたんだなぁと実感しますね。一つの薬が脈脈とバトンをつないでいる、そう思うと感慨深いです」。

ひとのために。

学生時代、微生物を用いて環境汚染物質を分解する研究をしていた佐藤。「実は、祖父ががんで亡くなったため、人のためになることがしたいと考えていました。中外製薬に惹きつけられたのは何といっても雰囲気の良さです。最終面接で役員の方が『まだ大きな会社ではないけれど、きっと人のために何かできることがある、だからここで研究することには意味がある』とおっしゃっていたことに心を打たれました。もちろん私にとって中外製薬は大企業です。そんな大企業の役員の方が“ひとのために”と謙虚な気持ちでと向き合っている姿はとても魅力的でした」。



前臨床という仕事。

入社すぐに佐藤はDDS(ドラッグデリバリーシステム)という部署に配属された。「ちょうど、DDSの立ち上げ期で一緒に成長した感があります。ここでは、ある基材(ゲル)のなかに薬物を封入し、体内に投与したときの徐放効果を高める研究をしていました。つまり投与頻度を減らし、患者さんの負担を軽減するというものです」。しかしこの研究は、直接薬そのものにかかわる研究ではないため、当初はモチベーションの維持が大変だったと佐藤は言う。「正直なところ、製薬会社に入ったと思ったのに、思うように結果が出せず、患者さんに届けられる薬にできない。毎日が苦労の連続でした」。そんなとまどいを感じていた佐藤だが、3年目を迎える頃動物実験にまでこぎつけた。「そこで望んだ効果が得られ、一つの進展を感じられたときはとても嬉しかったです」。

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